泥棒が入りやすい環境
泥棒にとって狙いやすい家とはつまり「入りやすい家」であり、逆に狙われにくい家とは「入りにくい家」または「入る気にならない家」だと言えるでしょう。
周囲の環境という点からみた「入りやすい家」とは例えばこんな家です。
・隣接地に空き地、公園、駐車場、アパート、神社、水路など、誰もが入ることができる場所がある。 ・共働きなどで留守がちである。 ・敷地が広く(隣家との距離がある)、垣根やフェンスなど、隣人や通行人から身を隠すことができる。 ・繁華街や幹線沿いの建物など、多少大きな音が出ても不思議がられない。 |
つまり、誰にも気づかれずに敷地内に侵入でき、ガラスを割って室内に入り、心置きなく室内を物色して、盗るだけ盗る。
そして「入りやすい」イコール「逃げやすい」となれば、泥棒にとってはまさに文句のつけようがない物件なのです。
何度も泥棒に入られる家
不思議なことに、こんなケースを何回も経験したことがあります。
パッと見は普通の隣り合った2軒の一般住宅なのですが、片方は何度も泥棒に入られ、もう片方は一回も入られたことがないのです。
入られたお住まいのお客様は「運が悪い」と言って嘆いておられましたが、私に言わせれば、これは運がいいとか悪いという問題ではありません。
実際、泥棒になったつもりで周りの環境を見比べてみた場合、お隣に比べ、こちらのお宅のほうがどう見ても「入りやすかった」。ただそれだけでした。(理由は後述します)
ちなみに、3度目の泥棒被害でやっと私のアドバイスを聞き入れてくださり、ガラスそのものを防犯ガラスに交換することで、泥棒の被害はピタリと止まりました。下がその現場の写真です。
このケースで以下のことが分かります。これは、不幸にも泥棒に入られてしまった方、全員に共通して言えることです。
1. 一度入られたのには理由がある。「入りやすかった」から
2. それを改善しないとまた入られる可能性が高い
3. 『泥棒が入りにくい』と思わせる環境作りが必要
おいしい思いは忘れない
一方、私のお客様でこんな経験もありました。
一度に150万近くの売上を盗まれた某飲食店の店長さんに、「一度おいしい思いをした泥棒は、しばらくすると必ず来ますから油断せずに気を付けてください」とお伝えし、これを機に防犯ガラスへの交換をお勧めしました。
しかし店長さんは、「そんなに頻繁に泥棒被害に遭うものではないだろう」とのお考えで、値の張る防犯ガラスではなく、元通りの一般ガラスへの交換で済まされたのです。
しかし、現実はシビアでした。なんと、翌々日にはまた同じ手口で侵入されてしまいました。お金は置いてなかったのであまり深刻な被害とはなりませんでしたが、しっかりと前回と同じガラスドアの同じ位置を割って侵入されました。
さすがにこのときには店長さんも私の意見を聞き入れてくださり、防犯ガラスの導入となりました。