二度と泥棒に入られないための防犯ガラス導入ガイド。窓まわりの防犯を強化して家族の命と財産を守りましょう。

2 防犯ガラスの実力

 

防犯ガラスとは

防犯ガラスは2枚のガラスの間に特殊なフィルム(PVB=ポリビニルブチラール)を挟みこみ、加熱・圧着することでガラスの破壊や貫通を非常に困難にしたガラスです。
ガラスに挟まれたこの特殊フィルムの働きで、泥棒に侵入される時間を大幅に稼ぐことができます。

防犯ガラスの断面図と解説

特殊フィルムを挟みこんだ防犯ガラスの断面図解説。

 

特殊フィルムは厚みの単位としてmil(ミル)が使われます。1ミル=約0.025㎜で、厚みが増加するに伴い防犯性能も増加する実験結果が出ています。

防犯ガラスはどのガラスメーカーも3段階の厚みのレベルを設け、30ミル(0.76ミリ)、60ミル(1.52ミリ)、90ミル(2.28ミリ)があります。
一般的には個人住宅であれば、30ミルか60ミルを使用することがほとんどです。

90ミルはガラスが厚くなりすぎて、住宅用サッシには納められないことが多いためですが、マンションや店舗、事務所などのサッシであれば導入できます。

ガラスの断面サイズ比較イラスト

≪ ガラスの断面図 ≫

 

30ミルは防犯ガラスの中では一番薄いフィルムを使っていますが、小道具を使用したこじ破り(泥棒による侵入方法で一番多い)や打ち破りには対応できるレベルだとされています(※補助錠を1箇所以上設置した場合の侵入抵抗)

また、飛散防止用のガラスとしての用途も期待できます。ご年配の方やちいさなお子さんがガラスを誤って割った場合も、フィルムのおかげで飛び散らないため大ケガを未然に防ぐことができたり、地震や台風などの災害時に物が強くぶつかった場合でも、割れ落ちにくく、安全・安心です。

60ミル(1.52ミリ)のレベル2になると、小型バールを使った打ち破りにも対応できるレベルとなります。

破壊実験の検証においても、ドライバーでのこじ破り、小型バールによる打ち破りの場合においても、穴を開けるまでに時間がかかる結果となりました。

防犯ガラスの導入の際、この30ミルか60ミルにするか、どちらを導入するかで悩まれる方も多いのですが、もし資金に余裕があるのであれば、間違いなく60ミルをお勧めします。

ちなみに警備会社が自社商品として販売・施工している防犯ガラスもこの60ミルの商品です。

 

防犯ガラスの実力

テレビで防犯ガラスの破壊実験映像をご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
いくらハンマーで叩いても、ガラスの表面にヒビは入りますが穴が開かない・・・という映像です。
ガラスメーカーにおいても当然、通常の板ガラスと防犯ガラスの破壊試験を行い、その結果が公開されています。

 通常の板ガラスと防犯ガラスの破壊試験結果

一般的な住宅用の板ガラスと防犯ガラスの破壊実験結果画像

通常の板ガラスと防犯ガラスの破壊実験結果

左側の一般ガラスは、衝撃物がガラスを貫通し破片を飛散させてしまいます。破損すると写真のように鋭利なガラス片が残り、非常に危険です。

一方、右側の防犯ガラスは特殊フィルムの効果でガラスは貫通せず、飛散もほとんどありません。特殊フィルムを厚くなればさらに貫通しにくくなります。

 

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