防犯ガラスの前に、まず一般のガラスについて調べてみましょう。
ここ15年ほどの間に、新築住宅であればペアガラス(複層ガラス)を導入するケースが常識になってきましたが、それ以前はいわゆる単板(たんぱん、たんいた)という1枚もののガラスが主流でした。
今でも、割れ換え工事の主流はこの単板ガラスです。
ガラスの厚みは2ミリが最薄で、一般住宅用のガラスでは6.8ミリが最厚になります。
2ミリ 和障子など木枠に用いられることが多い。
3ミリ 最も多く使われている透明3ミリガラス
4ミリ 3ミリの次に多いのが型板(ザラザラの表面)の4ミリ
5ミリ 少し大きなサッシによく使われる透明5ミリ
6ミリ あまり使われない
6.8ミリ 網入りガラスは透明もザラザラもすべて6.8ミリ
網入りガラスを防犯ガラスだと思っておられる人もいらっしゃいますが、これは実は防火仕様(火災の際にガラスが脱落して延焼を防ぐ)のワイヤーのため、容易に切断できてしまい、泥棒にとってはなんの意味もありません。
下の写真のように、小道具ひとつあればカンタンに貫通されてしまいます。プロであれば、おそらく、音もたてず十数秒で開けてしまうでしょう。
ほかの種類では、強化ガラス・防火ガラスという特殊なガラスもあります。
これはガラス製造時に加熱・急冷することにより、通常の3倍程度にまで強度を高めたガラスで、車のドアのガラスといえばイメージしやすいと思います。たしかに割れにくいのですが、いったん割れてしまえば、全体が粒状に破砕するため、防犯性能はまったく期待できません。
ペアガラス(複層ガラス)は、2枚のガラスの間に空気層を設けることで断熱性能を高めたガラスです。2枚のガラスが接着剤でシールドされているため、割りにくいものの、防犯性能は期待できるレベルではありません。(防犯ガラスを使用したペアガラスの場合は非常に防犯性能が高まります)
このように、防犯対策を講じていない住宅の場合は、泥棒にとって一番カンタンなのは「窓ガラスを割って侵入する」ということになります。事実、一戸建ての場合、全体の約7割が「ガラス破り」によって侵入されています。
窓を防犯化には下記のような方法があります。
1 ガラスを防犯ガラスにする
2 ガラスに防犯フィルムを貼る
3 補助錠、防犯クレセントを使用する